就労継続支援A型とは?仕事内容と給料、利用までの流れを徹底解説!(2018年版)

2018/03/26
就労継続支援A型は、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスです。障害や病気に理解のある職場スタッフがサポートしてくれるので、安定的な就労が期待できます。この記事では、就労継続支援A型の仕事内容や給料、自分に合った事業所の選び方に加え、A型事業所の運営をめぐる法令改正などの基礎知識についても解説していきます。
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目次

  1. 就労継続支援A型とは?
  2. 就労継続支援A型の仕事内容は?
  3. 就労継続支援A型の給料ってどれくらい?
  4. 就労継続支援A型の対象者は?
  5. 就労継続支援A型の利用料は?
  6. 就労継続支援A型の利用期間は?期限はある?
  7. 就労継続支援A型の利用方法は?
  8. 就労継続支援A型とB型、就労移行支援との違いって?
  9. 就労継続支援A型事業所の選び方は?
  10. 就労継続支援A型の運営基準って何?事業所の状態にも注目しよう
  11. 就労継続支援A型まとめ

就労継続支援A型とは?

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就労継続支援A型とは、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービスです。障害者総合支援法に基づく福祉サービスのひとつであり、現時点では一般企業での勤務が難しい65歳未満の方に、一定の支援下で継続して働けるような職場を提供しています。

利用者はA型事業所との間で雇用契約を結ぶので、基本的には最低賃金額以上の給料がもらえます。厚生労働省の社会福祉施設等調査によると、A型事業所は2016年時点で3455事業所、利用者は6万8070人です。
参考 : 厚生労働省 「社会福祉施設等調査」
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就労継続支援A型の仕事内容は?

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就労継続支援A型事業所での勤務は、基本的な部分は一般就労と変わりません。違う点は、一般就労に比べて比較的就労時間が短いことと、給料が低いケースが少なくないことです。

勤務形態は事業所ごとにさまざまですが、1日の実働時間は4~8時間程度であることが多く、仕事内容の一例としては以下のような仕事が挙げられます。
  • カフェやレストランのホールスタッフ
  • パソコンによるデータ入力代行
  • ご当地ストラップなどのパッキング
  • インターネットオークション作業代行
  • 車部品などの加工

就労継続支援A型の給料ってどれくらい?

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就労継続支援A型の事業所では、雇用契約を結んだ上で働くことになりますので、最低賃金額以上の給料が保障されています。ただし、前年度収入によっては利用料を支払う必要がある場合もあります。

厚生労働省の調査結果によると、2015年度のA型事業所の月額平均給料は6万7795円でした。2014年度の平均給料では6万6412円で、ここ数年は上昇傾向が見られます。
参考 : 厚生労働省 「障害者の就労支援対策の状況」

就労継続支援A型の対象者は?

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就労継続支援A型は、原則18歳以上65歳未満で、身体障害、知的障害、精神障害、発達障害や難病がある方が、以下のいずれかの条件を満たすと利用対象となります。
  • 就労経験があるが、現在は働いていない方
  • 就労移行支援サービスや特別支援学校での就職活動を経たが、雇用に結びつかなかった方
原則の対象者は以上の通りですが、自治体によっては詳細が異なることがあります。また、医師の診断や定期的な通院があれば、障害者手帳がなくてもA型事業所で働くことができる場合もありますので、いずれもお住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせてみてください。

就労継続支援A型の利用料は?

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就労継続支援A型の利用料は、事業所に通所する日数と世帯(本人と配偶者)の収入状況によって変わります。通所日数が多いほど利用料も高くなりますが、世帯収入による月額の負担上限が決まっています。

以下が世帯の収入状況別の自己負担月額の上限ですので、参考にしてみてください。
  • 生活保護受給世帯…0円
  • 市町村民税非課税世帯(注1)…0円
  • 市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)…9,300円
  • 上記以外…37,200円
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、負担上限月額が37,200円となります。
参考 : 厚生労働省 「障害者の利用負担」

就労継続支援A型の利用期間は?期限はある?

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就労継続支援A型には、利用期間の制限はありません。ただ、利用する事業所と利用者との間で結ばれる雇用契約が有期である場合は、契約更新の有無によって利用期間も変わることになります。

就労継続支援A型の利用方法は?

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就労継続支援A型の事業所で働くためには、「選考」と「市区町村での申請」の二段階の手続きを経る必要があります。

A型事業所の選考を受ける

A型事業所の求人は、市区町村の障害福祉窓口やハローワークなどで紹介してもらえます。そのほか、事業所への問い合わせや見学、説明会に行った際にその事業所での就労を勧められることもあります。
応募したい事業所を見つけたら、履歴書を送り、面接などの選考を受けましょう。

市区町村窓口で利用申請をする

選考の結果、無事採用が決まったら、つぎは市区町村の窓口を通じて就労継続支援A型のサービス利用を申し込みます。申し込みの際には、どのサービスをどのように利用する意向があるのかを説明する「サービス等利用計画案」を作成する必要があります。
具体的な手順は以下の通りです。
  • 採用内定後、市区町村の障害福祉窓口でサービスを利用したいことを告げる
  • 調査員による生活状況などの聞き取り調査を受ける
  • 指定特定相談事業者、または自分自身でサービス等利用計画案を作成、提出
  • サービスを受けるための受給者証が発行される
  • 就労継続支援A型で勤務開始

就労継続支援A型とB型、就労移行支援との違いって?

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就労継続支援A型以外にも、就労の支援を受けられるサービスがあります。それが、就労移行支援と就労継続支援B型です。ここでは、サービスの違いについて説明していきます。

就労移行支援

一般企業への就労を目指す方に対して、働くための知識や能力を身に着ける職業訓練、職場探しや就職活動のサポートを行う福祉サービスです。また、就職した後も長く働けるように職場定着支援も行います。

すでに働いている方は利用できないので就労継続支援A型との併用はできませんが、A型事業所での就労を通じて一般就労に向けた準備を整えた後、一般就労を目指して就労移行支援の利用に切り替える、といった利用パターンも考えられます。

一般就労への移行率は、2015年時点で就労継続支援A型からの移行率が全国平均4.3%なのに対して、就労移行支援からの移行率は22.4%となっています。
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就労継続支援B型

障害や難病等のある方で、年齢や体力の面から、一般就労が困難な方を対象にした福祉サービスで、短時間から働くことが可能な事業所が多いです。作業内容は軽作業が多く、事業所と雇用契約を結ばないため、賃金ではなく、生産物に対する成果報酬の「工賃」が支払われます。工賃は最低賃金を下回ることが多いですが、自分のペースで働くことができます。
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就労継続支援A型事業所の選び方は?

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就労継続支援A型にはさまざまな事業所があります。自分に合った職場を選ぶために、以下のポイントを参考にして探してみるといいでしょう。

仕事内容は自分に合っているか

仕事内容は事業所によって異なります。例えば、一言で「カフェスタッフ」と言っても、接客業務なのか調理補助なのか、調理補助であればどの程度までの料理を担うことになるのかは店舗によって違います。事業所へ見学に行った際に、具体的な仕事内容を確認するといいでしょう。
事業所によっては、数日間の実習を体験させてもらえることもありますので、そこで自分の技能やペースと合っているかをチェックしてみてください。

事業所の雰囲気はどうか

仕事を行っている利用者の様子や、利用者をサポートする職員の人数なども、事業所を決める大事なポイントです。忙しすぎたり時間が空きすぎることも利用者にとってはストレスになる場合があります。事業所見学では、自分のペースで働ける雰囲気かどうかも見てみるといいと思います。

給料の額は適切か

お金の話題は出しにくいと感じる方もいると思いますが、給料は働く意欲を支える大事な要素です。どの程度の給料がもらえるのか、自分の能力はどのように給料に反映されていくのかをしっかり確認するといいでしょう。
就労継続支援A型の事業所では、利用者と事業所側が合意した場合に最低賃金を下回る給料(最低賃金の減額特例)での雇用が認められることがあります。雇用契約を結ぶ前に、その根拠について説明を受け、納得した上で気持ち良く働けるようにしましょう。

就労継続支援A型の運営基準って何?事業所の状態にも注目しよう

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就労継続支援A型の事業所については、国の規制強化などによって収益構造が崩れ、経営破たんするといった動きがニュースで取り上げられることがありました。ここでは、最近のA型事業所をめぐる法令改正の動きや、運営の基準について簡単に説明します。A型の基本を知ることは、事業所を選ぶ際に役立つでしょう。

就労継続支援A型の運営に関する法律の改正

就労継続支援A型の事業所収益は、訓練等給付(自立支援給付)費、助成金・補助金、そして事業収入が中心になっています。このうち、訓練等給付費をそのまま利用者の給料に充ててしまい、経営がうまくいかない事業所があったことから、2017年4月に「就労継続支援A型に係る厚生労働省令」が改正されました。
具体的には、利用者の給料に訓練等給付費を充当することや、利用者の意向に沿わない退所などを禁じる内容となりました。
省令改正の概要
(1)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則の一部改正
・障害者総合支援法第36条第2項に規定する特定障害福祉サービスに就労継続支援A型を追加し、就労継続支援A型に係る指定障害福祉サービス事業者の指定は、当該サービスの量を定めてするものとする(総量規制の導入)。
(2)障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備および運営に関する基準等の一部改正
・就労継続支援A型事業者について、利用者に対してその希望を踏まえた就労の機会の提供を行う旨の義務規定を設ける。
・就労継続支援A型事業者は、生産活動に係る事業収入から必要経費を控除した額が賃金の総額以上となるようにしなければならない旨の規定を設ける。また、就労継続支援A型事業者が利用者に支払う賃金および工賃の額について、原則、自立支援給付から充当してはならない旨の規定を設ける。
・就労継続支援A型事業者が定めるべき運営規程の項目として、生産活動の内容、利用者の労働時間および賃金、工賃を追加する。
引用 : 枚方市 「就労継続A型事業に係る厚生労働省令及び本市条例等の一部改正等について」
参考 : 枚方市 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則等の一部を改正する省令(平成29年2月9日厚生労働省令第5号)」

就労継続支援A型の人員・設備基準

就労継続支援A型の事業所を運営するためには、必ず満たさなければならない人員や設備の基準が定められています。つまり、どこのA型事業所で働く際にも、これらのスタッフによるサポート、施設の設備は保障されているということです。
  • 職業指導員…生産活動における技術指導や職場規律の統率などを行います。
  • 生活支援員…利用者の健康管理や相談支援を行います。
  • サービス管理責任者…障害福祉サービスを提供する際に、そのサービス管理を行う担当者です。具体的には、利用者の個別支援計画の作成や、サービス内容の評価、生産活動の指導などを行います。
参考 : 中央法規出版 「障害者総合支援法 事業者ハンドブック指定基準編 2017年版」参考 : 坂本 洋一 「図説 よくわかる障害者総合支援法 第2版」

就労継続支援A型まとめ

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就労継続支援A型の特徴は、実際に働いて給料をもらいつつ、障害や病気に対する理解のあるスタッフから一定のサポートを受けながら、就労に関する知識や技術を磨くことができる点にあります。

A型で今後も長く働いていくのか、A型をステップに一般就労への道を目指すのか、それとも自分のペースで働くことのできるB型事業所へ移行するのかなど、A型での就労を通じて自分のさまざまな将来を模索することができます。

A型事業所については、2017年4月の省令改正によって運営が軌道に乗らず、一部で経営が傾いてしまう事業所も出てきました。とはいえ、事業に工夫を凝らし、利用者が有意義な就労をすることができる事業所もたくさんあります。

市区町村窓口で相談をしたりインターネット検索をしたりして、自分に合ったA型事業所を見つけることが、就労に近づく一歩となるでしょう。
少しでも気になった方はまずは問い合わせてみて、見学に足を運んでみてください。
参考 : 厚生労働省 「障害者の就労支援について」
就労継続支援A型事業所を探してみよう

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