新しく始まる就労定着支援ってどんなサービス?支援の内容や期間、実施する事業所などを紹介します。

2018/03/26
2018年4月から就労定着支援が始まります。これは、障害のある方の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートする福祉サービスです。この記事では、就労定着支援がどんなサービスなのか、支援期間や利用方法などをお伝えします。

目次

  1. 就労定着支援とは
  2. 就労定着支援の具体的な支援内容は?
  3. 就労定着支援はどこで受けられる?
  4. 就労定着支援の利用期間は?
  5. 就労定着支援の申し込み方法は?
  6. 就労定着支援まとめ

就労定着支援とは

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就労定着支援とは、2018年4月から始まる改正障害者総合支援法に基づくサービスです。一般就労をしている障害のある方が長く職場に定着できるよう、福祉サービスを提供する事業所がさまざまなサポートをします。

定着支援はこれまでも、就職までを一貫してサポートする就労移行支援事業所や、生活と就労を一体的に支援する障害者就業・生活支援センターなどが中心になって行っていました。しかし、働く障害のある方が増えてきて、働くことにまつわるさまざまな課題解決をサポートする需要も高まってきたため、2018年からは、定着支援が独立した福祉サービスとして実施されることが決まったのです。

新しい就労定着支援の対象者は、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、生活介護、自立訓練サービスを経て、一般就労をした方になります。

就労定着支援の具体的な支援内容は?

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就労定着支援では、障害者雇用枠での就労を含め、一般就労をしている障害のある方が働きやすくなるような手伝いをしてくれます。実際に働いてみると、それまでの生活とは違った悩みがいろいろと出てくることがあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。
  • 仕事でミスが多くて困っている
  • 上司や同僚とうまくコミュニケーションが取れない
  • 体調管理ができず、遅刻や欠勤が増えてしまう
  • せっかく給料をもらっても、お金の管理ができない
こういったとき、自分ひとりではどう対処していいか分からず、抱え込んでしまうこともあるかもしれません。就労定着支援では、事業所が、障害のある方の就労上の問題解決を支え、また、障害のある方を取り巻く社会的資源に対しても必要な連絡調整やアドバイスを行います。

具体的には、各事業所の担当者が月1回以上のペースで障害のある方と対面で話し、現在の職場での環境や生活リズムなどを聞き、どんな課題があるのかを把握します。その上で、障害のある方に対する課題解決のためのアドバイスや、勤務先への訪問、医療機関や福祉機関との連携を図って、働きやすい環境へとつなげます。

就労定着支援はどこで受けられる?

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就労定着支援は、2018年から新設される就労定着支援事業所で受けることができます。全く新しい事業所として設立されるものもあるかもしれませんが、そのほか、これまでの就労移行支援事業所、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所、自立訓練事業所が新たな事業として実施する可能性があります。ただ、まだ始まったばかりの支援のため、これから支援体制を整える事業所や、支援の方法を模索している事業所も多いでしょう。

早く定着支援を受けたいという方は、就労移行支援事業所、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所に問い合わせてみましょう。

就労移行支援

一般企業への就労を目指す障害や疾患のある方が、働くための知識や能力を身につけることができる就労支援サービスです。事業所によってサービス内容は異なりますが、主なものは職業訓練、就職活動のサポート、職場定着支援の3つです。
職業訓練ではビジネスマナーやコミュニケーショントレーニング、パソコントレーニングなどを行い、就職活動のサポートとしては面接の練習や履歴書の書き方指導などを行います。そして、無事に就職した後もスタッフが職場定着支援を実施。就職前から就職後まで、一貫してサポートしてくれるのが特徴です。

学校のように、毎週決まった日時に事業所に通って利用することになります。働いている場合は利用できません。利用する場合は市区町村の障害福祉窓口で申し込みをします。LITALICO仕事ナビでは全国の就労移行支援事業所を掲載しており、ご自身にぴったりの事業所を探すことができます。
就労移行支援事業所を探してみよう

就労継続支援A・B型

就労継続支援とは、障害や疾患に関するサポート環境を整備して、安定的に働くことができる職場を提供する福祉サービスです。
このうち就労継続支援A型は、比較的一般就労に近い職場環境で、障害や疾患などに理解のある職場スタッフのサポートを受けながらの安定的な就労が期待できます。事業所と雇用関係を結んだ上で働くので、給料は最低賃金額以上が支払われます。業務内容は事業所によりさまざまですが、喫茶店のホール業務やパソコンデータの入力代行などがあります。

就労継続支援B型は、年齢や体力、症状の面で一般就労が困難な方を対象にしていて、1日1時間から、1週間に1日からといった短時間で働くことが可能な事業所が多いです。作業内容は軽作業が多く、事業所と雇用契約を結ばないため、賃金ではなく、生産物に対する成果報酬の「工賃」が支払われます。工賃は最低賃金を下回ることが多いですが、自分のペースで働くことができます。
就労継続支援事業所(A型B型)を探してみよう
これらの事業所は、以前から定着支援を行っており、今回の法改正による就労定着支援のサービス開始に関わらず、引き続き就職後半年間の定着支援を担うことになっています。

とはいえ、半年後も継続して就労定着支援を行うかどうかは事業所ごとの判断になりますので、通いたい事業所に直接聞いてみてください。

就労定着支援の利用期間は?

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利用期間の上限は3年間です。就職後半年間は、就労移行支援事業所や就労継続支援A型事業所といった、それまでに利用した事業所による職場定着支援が行われます。その後最大3年間が、就労定着支援の期間です。

就職後半年間とそれ以降3年間の定着支援は、継続して同じ事業所が行う場合と、異なる事業所が行う場合があります。障害のある方の利用の意向や、事業所が就労定着支援を行うかどうかによって変わってきますので、まずは利用した事業所と相談してみるのがいいでしょう。

なお、3年が経過した後も就労定着支援を受けたい場合は、就労定着支援事業所が任意で継続するケースと、障害者就業・生活支援センターに引き継がれるケースが考えられます。こちらについても、利用していた事業所に聞いてみてください。
障害者就業・生活支援センターとは?相談できる内容と利用の流れを徹底解説!
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就労定着支援の申し込み方法は?

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とにかく始まったばかりのサービスなので、どの事業所で就労定着支援を行っているのか、または行う予定なのかを知るところから始まります。まずは、就職前に利用していた事業所に聞いてみて、就労定着支援を行うことが決まっているのであれば、そのまま継続して支援を受けるのもひとつの方法です。もしくは「この事業所の定着支援を受けたい」と思えるような事業所がある場合は、そこへ問い合わせてみましょう。

就労定着支援まとめ

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障害のある方の雇用者数は、13年連続で過去最高を更新しています。その一方で就職1年後の離職率は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査によると約3~5割にものぼります。
参考 : 厚生労働省 「障害者雇用の現状等」
いざ働き始めてみると、仕事がうまくいかなかったり、体調を崩してしまったりと、就労において悩みを抱えてしまう方も少なくありません。そういったときに働きやすい環境づくりを支援してくれる就労定着支援の重要性は高まっていると言えるでしょう。

自分だけでは考えても分からなかったことが、第三者の助けを借りることで解決につながることがあります。今後、就労定着支援を行う事業所も増える可能性があるので、ぜひとも利用を検討してみてください。
参考 : 厚生労働省 「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」参考 : 厚生労働省 「就労定着支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」

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