特例子会社ってどんな会社?職種や給料、雇用形態、働くメリットなどを解説します

2018/03/26
特例子会社という名称は聞いたことがあるものの、実際はどんな会社なのかよく知らない方も多いのではないでしょうか。特例子会社は、障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社のことです。この記事では、特例子会社にどんな職種、雇用形態があるのか、給料や職場で行われている配慮事例などについてお伝えします。

目次

  1. 特例子会社とは?
  2. 特例子会社で働くメリットは?
  3. 特例子会社と一般企業などでの障害者枠(障害者雇用)の違いは?
  4. 特例子会社にはどんな業種・職種がある?
  5. 特例子会社の雇用形態は?
  6. 特例子会社の給料は?
  7. 特例子会社まとめ

特例子会社とは?

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特例子会社とは、障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された会社のことです。一般的な企業と比べると、障害や特性に対するサポート環境が整っているところが多く、比較的障害の程度に関係なく働くことが可能です。

特例子会社に認定されるためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
  • 親会社が、特例子会社の意思決定機関(株主総会など)を支配していること
  • 親会社から役員派遣があるなど、人的関係が緊密であること
  • 雇用する障害のある方(障害者手帳を持っている方)が5人以上いて、全従業員に占める割合が20%以上であること。また、雇用する障害のある方のうち、重度の身体障害、知的障害、精神障害のある方の占める割合が30%以上あること。
  • 障害のある方に対する施設改善や専任指導員の配置といった働きやすい職場環境が準備されていること
  • 障害のある方の雇用の促進、安定を達成する見込みがあること

法定雇用率との関係は?

特例子会社の特徴のひとつが、親会社の法定雇用率(障害者雇用率)に算定できることです。法定雇用率とは、障害のある方の雇用機会を確保するために定められているもので、民間企業では、全従業員のうち2.0%(2018年4月から2.2%)に当たる人数の身体に障害のある方、知的な障害のある方(2018年4月から精神に障害のある方も含む)を雇わなければいけません。

先に挙げた要件を満たした上で特例子会社として厚生労働大臣の認定を受けると、親会社は特例子会社で雇用された障害のある方を親会社で雇っているとみなし、法定雇用率に算定できます。

障害のない方が多く働く親会社で、障害のある方の雇用を促進しようとすると、設備投資や社内規定の整備、業務管理などに時間や経費がかかることも少なくありません。特例子会社を設立すれば、企業側は設備投資が集中化できたり、親会社とは異なる労働条件の設定も容易になったりするので、障害のある方を雇用しやすくなるのです。
参考 : 厚生労働省 「「特例子会社」制度の概要」参考 : 静岡県 「特例子会社ってなに?」

特例子会社で働くメリットは?

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特例子会社は、障害のある方に配慮した職場環境を整備しなければならないことが定められているため、働きやすい環境が整っていると言えます。特例子会社が職場環境改善のために行っているサポート事例には以下のようなものがあります。

労働時間についての取り組み

  • 障害に配慮した短時間勤務制度の導入
  • フレックスタイムや半休制度といった柔軟な労働時間制度の導入
  • 通院休暇制度の導入など、服薬や通院といった医療的に必要な時間を確保する

能力発揮やキャリアアップのための取り組み

  • 業務について支援・指導を行う特別スタッフの配置
  • 定期的な面談・相談の実施
  • 職場実習期間を設けたり、複数業務を体験させたりして、特性に見合った仕事を任せるようにする

職場の支援体制についての取り組み

  • 外部の支援機関に相談しながら職場環境の改善を図る
  • 懇親会の開催や休日のレクリエーションなどで社員同士の交流を図る
  • 日頃から障害のある方の家族と交流して、課題が生じたときに対応を相談できるようにする

特例子会社の配慮事例を紹介

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページでは、障害のある方の雇用に際して企業が創意・工夫して取り組んでいる好事例が記載されており、特例子会社の取り組みも紹介されています。

事務代行やウェブ制作などを行っているサービス業の特例子会社では、移動や通勤が難しい身体の障害のある方に在宅勤務制度を取り入れています。合わせて、在宅社員の体調に変化があった際の報告・相談を徹底し、業務上のストレスや生活環境の変化などを早く把握できる環境を整え、職場への定着をすすめています。

また、契約書管理やチラシの印刷作業などを担う別の特例子会社では、精神に障害のある方に安定して働いてもらうため、出勤時に当日の気分などをノートに入力してもらい、その状態によって作業内容の変更などを行っています。そのほか、休憩時間を細分化して疲労の蓄積を防いだり、外部のカウンセラーによるカウンセリングが受けられる相談室を設置したりしています。
参考 : 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 「障害者雇用の事例集」

特例子会社と一般企業などでの障害者枠(障害者雇用)の違いは?

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障害者手帳を持っている方は、特例子会社で働くほか、一般企業などにおける障害者雇用枠で働く選択肢などもあります。障害者枠での就労は、仕事の進め方や職務内容などについて障害への配慮がある点は特例子会社と一緒です。

ただ、障害のない方も多く働く職場なので、特例子会社と比べるとそういった方々とのコミュニケーションが多く発生する可能性があります。

また、設備投資の集中化の観点から、バリアフリーなどの設備面においては特例子会社のほうが環境改善が進んでいる場合があります。

ひとつ注意してもらいたいのは特例子会社の数です。厚生労働省の資料によると、2017年6月時点で全国にある特例子会社は464社です。一方、ハローワークのインターネットサービスで検索することができる障害者求人件数は2018年3月時点で約1万6000件です。

一概には比較できませんが、障害のある方の求人総数と比べると特例子会社の求人の割合が少なかったり、特例子会社の数がそれほど多くないことから、地域によっては通いづらくなってしまったりすることが考えられます。
参考 : 厚生労働省 「特例子会社一覧」

特例子会社にはどんな業種・職種がある?

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2012年に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が公開した「多様化する特例子会社の経営・雇用管理の現状及び課題の把握・分析に関する調査」の報告書には、特例子会社の経営・雇用についての詳細な情報が記されています。以降の章では、この報告書のデータ(複数回答の項目含む)を基に、特例子会社で働くことに関して気になる項目をチェックしていきましょう。

まず、特例子会社の業種や、特例子会社で働いている障害のある方が従事している職種の割合について見ていきます。調査に回答した特例子会社の業種は、清掃・ビルメンテナンスなどのサービス業が51%と最も多くなりました。次に多かったのが、印刷や食料品製造などの製造業(26.3%)、次いで情報通信業(5.2%)などがありました。

また、障害のある方が就いている職種は、事務が59.3%、運搬・清掃・包装などが54.1%、生産工程が30.9%でした。

特例子会社の雇用形態は?

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次に、特例子会社での障害のある方の勤務形態に関するデータを見ていきましょう。報告書によると、フルタイムの正社員を雇用している企業が84%、パートタイムの正社員を雇用している企業が11.9%ありました。

そのほか、アルバイトなどの正社員以外のフルタイム社員を雇用している企業が45.4%、正社員以外のパートタイム社員を雇用している企業が38.7%となっています。

特例子会社の給料は?

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特例子会社で働く障害のある方の平均年収は、150万円以上300万円未満が60.3%ともっとも多くなっています。150万円未満が25.3%、300万円以上400万円未満が11.9%と続いています。調査の中でもっとも高額な回答だったのは、400万円以上500万円未満で1.5%でした。

給料の支給方法については障害の状況によって異なるようですが、日給月給制(欠勤や遅刻などにより月給から給料が控除される制度)が多いようです。そのほか、時間給制や月給制などが採用されています。

特例子会社まとめ

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法定雇用率は、これまでの2%から2.2%に上がり、そして2.3%へと変更されることが決まっており、今後も障害のある方の雇用は増えていくことが考えられます。それに伴い、特例子会社の重要性も高まっていくと言えるでしょう。

特例子会社は、障害のある方にとっては比較的働きやすい環境が整っています。ハローワークや就職情報サイトなどで特例子会社の求人を探すことができるので、就職を考えている方は、特例子会社で働くことも選択肢に入れてみてください。
参考 : 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 「職域拡大等調査報告書」

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