大人の発達障害、診断がつく場合と「グレーゾーン」はどう違う?
更新 2023/05/25
公開 2019/12/11
更新 2023/05/25
公開 2019/12/11
発達障害と思われる特性がある人が受診したとき、発達障害との診断がつく場合とつかない場合があり、後者は俗に「グレーゾーン」と呼ばれることがあります。この記事では診断がつく場合とつかない場合の違い、診断基準や、症状を正確に反映した診断を得るためのポイントを解説します。
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発達障害の診断がつく場合とグレーゾーンとの違いは?
発達障害と思われる症状があるために医療機関を受診したものの、発達障害との確定診断がつかなかった状態などを俗に「発達障害のグレーゾーン」と呼ぶことがあります。
グレーゾーンとは、「症状が軽い状態」を指すのではありません。発達障害の特性がいくつか認められるものの、診断基準を全て満たしているわけではないため、発達障害との確定診断をつけることができない状態です。
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問診のほか、必要であれば頭部CTやMRIなどの生理学的検査や、ウェクスラー成人知能検査(WAIS)という心理検査なども用いられ、結果を医師が総合的に判断します。
DSM-5が挙げている症状の一部のみ現れている場合や、その日は体調が良かったなどの理由から受診時に症状が目立たなかった場合などには、医師が「診断基準の全てを満たさない」と判断する場合があります。
また、発達障害は生まれつきの脳の器質によるもののため、大人になってから突然特性が現れるということはありません。特性自体は幼少期から存在していたものの、環境や周囲のフォローなどにより特性が目立たずに成人し、社会に出て働くようになってから生きづらさを感じて発達障害なのではと考えるようになる人もいます。これらの背景から、記憶があいまいだったりして幼少時の情報が不足している場合も「診断基準の全てを満たさない」という判断にならざるを得ないことがあります。
検査結果の数値で診断できる身体疾患とは異なり、発達障害では、特性や生活上の支障の程度なども参考にしながら診断されます。このため、診察を受ける人の情報提供も大切になります。
状態を正確に反映した診断を得るために、受診の際は以下の点に気を配ってみてください。
発達障害の診断では、心理検査や脳波・CTなどの生理学的な検査が用いられることもありますが、主に問診により医師が「DSM-5の診断基準を満たすかどうか」を判断します。そのため、同じ状態の人であっても、ある病院では診断がおりなくても、ほかの病院では診断がおりることも起こり得ます。
大人の発達障害に詳しい医師の数は少ないため、発達障害者支援センターに問い合わせて、専門医のいる医療機関を調べると良いでしょう。
また、日本児童青年精神医学会が認定医の情報をホームページ上で公開しており、発達障害に詳しい医師を探すときに参考になります。ただし大人の発達障害の症状については専門にしていないこともあるので、事前に問い合わせておくといいでしょう。
幼少期の様子に加えて、現在の困りごとや、特性が目立ち始めた時期などの情報を、医師に詳しく正確に伝えることが大切です。以下のような方法が役立ちます。
医師に伝えたいことをあらかじめ紙にまとめておく
保護者や養育者など、幼少時の様子をよく知る人に受診に付き添ってもらう
幼少時の様子が客観的にわかる資料(母子手帳や育児日記、通知表など)を持参する
発達障害との診断がつかず、納得がいかない場合は後日また診察を受けてみるのも良いでしょう。発達障害の特性を持つ人は体調や環境によって特性の現れかたが変わることがあるため、困りごとが増えたり、体調が変化したときなどに受診すると診断がつくことがあります。
また、セカンド・オピニオンを求める方法もあります。最初に受診した医療機関から同意を得て紹介状や検査結果などを受け取り、これらを持参してセカンド・オピニオンを求める医療機関を受診します。
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発達障害の診断は、DSM-5が示す診断基準などに沿って、医師によっておこなわれます。診察を受ける際には、医師に詳しく正確に自分の状態を伝えることが大切です。
診断がつかなかった場合でも、発達障害のある人と同じように、特性に対処することで困りごとを和らげることができます。以下の記事で対処法を解説していますので、参考にして自分に合った対処法を見つけてください。
監修 : 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授(応用行動分析学)
公認心理師/臨床心理士/自閉症スペクトラム支援士(EXPERT)
LITALICO研究所 客員研究員
執筆 : LITALICO仕事ナビ
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