美容室、スイーツ開発、ネイルアートから在宅勤務のネット通販まで!仲間とともに自分らしく働く【就労継続支援B型】
更新 2025/05/30
公開 2024/11/29
更新 2025/05/30
公開 2024/11/29
オモロピアBは一般社団法人IMLが運営する、「世の中を笑顔にしよう」をモットーとした就労継続支援B型事業所です。精神障害・知的障害・身体障害・発達障害・難病・その他の方を対象に就労支援を受けることができます。オモロピアBの古川様と吉村様、そして利用者の方にオモロピアBの魅力についてお話をお聞きしました。
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利用者の障害の内訳:精神障害90%、その他(知的障害(知的発達症)※など)10%
利用頻度:週5日利用70%、週2~3回利用20%、週1~2回利用10%、
※現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」と表記されていますが、知的障害者福祉法などの福祉的立場においては「知的障害」と使用していることが多いため、この記事では「知的障害(知的発達症)」という表記を用います。
障害のある方がもっと笑顔で輝くことができる社会を目指して
ーーオモロピアBを開設したきっかけを教えてください。
オモロピアBは、「もっと世の中を笑顔にする」ために、2021年9月に開所しました。
弊社の代表が美容院を営んでおり、そこで障害のある方と触れ合う機会がありました。働くことに対する難しさがある皆さんが、もっと輝くことができて笑顔になれる場所をつくりたいと思ったことがきっかけでした。代表の熱い想いに触れる中で私たちがスタッフとして集まり、想像以上に多くの利用者の方にも集まっていただき、喜びを感じながら、気が引き締まる思いで事業所をスタートしました。
面白い仲間を意味する「オモロピア」という名前を体現できるように、スタッフが利用者の方を笑顔にするのではなくて、みんな同じ人間なので垣根を無くして尊重して笑顔にし合うことを大切にしていきます。

いつでも明るいコミュニケーションを心掛けている、古川様(左)と吉村様(右)
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美容室のサポート業務から、在宅でのパソコン作業まで
ーー利用者の方は、具体的にどんな活動をされているのでしょうか。
通所されている方は美容室をサポートする仕事、例えばタオルを洗濯して畳んで交換するとか、掃除や駐車場の草むしりをするとか、さまざまな仕事をしています。また、美容室で販売できる自社製品をつくっていきたいと動いているので、コーヒーを自家焙煎したり、コーヒーに合わせたスイーツを開発したり、みんなで楽しみながら取り組んでいますね。
通所が難しいという方も在宅勤務ができるので安心です。今はビンテージ家具などのインターネット販売もしているので、その商品の説明文をパソコンでつくってもらうような、無理なく働ける形がオモロピアBにはあります。ここではきっとご自身に合った働き方を見つけられると思います。
5つの指針を決めて、元気を与え合うコミュニケーションを意識
ーー利用者の方との関係性づくりはどのようにされていますか。
まず、利用者の方と目線と心を合わせるための5つの指針をつくりました。
(1)自分でなりたい自分や目標を設定しよう、(2)人のことは気にしない、(3)精一杯の挨拶をしよう、(4)感謝の気持ちを忘れないようにしよう、(5)自分と自分以外も大切にしよう、というものです。どれも当たり前のことかもしれませんが、改めて見える化することで浸透を図っています。
オモロピアBには、知的障害(知的発達症)のある方や視覚障害の方など、さまざまな個性と特性を持たれた方がいます。だからこの指針を持ちつつ、一つの形ではなくて一人ひとりと向き合った支援を心掛けています。そしてスタッフと利用者の方の関係性がフラットで、働きながら元気を分け合えるような距離の近いコミュニケーションを大切にしています。
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ーー事業所の運営にあたり、大切にされているのはどんなところでしょうか。
一般就労に限らずたくさんの選択肢を一緒に考えながら、その方に合った就労の形を探していけたらと思っています。
例えばネイルアートに興味を持った利用者の方が、経験のあるスタッフに技術を学びながら、今事業所の一角で実際にお客様にネイルアートをする活動をしていたりします。元々は人とのコミュニケーションが苦手な方だったので、ちゃんと敬語で接客している姿に驚き、感動をしています。
このような形で、私たちの事業所でできることであれば、その利用者の方の自由な意思を最大限尊重していきたいと思っています。

会話を楽しみながらネイルアートの接客をする利用者の方
ーー世の中を笑顔にすることに本気な事業所なんですね。
はい、私たちは事業所での活動のほかに「繋ぐプロジェクト」という取り組みをしています。これは、貧困を抱えるフィリピンの子どもたちの支援を行うというものです。
学びの機会が少ない子どもたちのために、実際に現地に行って教材や鉛筆を手渡してきました。その時の子どもたちの笑顔は忘れられないですし、目の前の利用者の方から世界の子どもたちまで、一人でも多くの人を笑顔にするために活動を続けていきたいなと強く思いました。
だからもし今、働くことへの自信を失ってしまっていても大丈夫です。この場所は皆さんの笑顔を取り戻すための事業所でもあるので、ぜひ一度気軽に見学にお越しいただき、支援員や利用者の方みんなの元気を届けられたらと思います。

スタッフの温かな見守りが、この場所の安心感をつくっています
とてもアットホームな環境でスタッフの方も優しくて面白く、常に笑い声が聞こえてくるような楽しい事業所です。パソコン作業で資料を作ったり、チラシや名札を作ったり、幅広い仕事を任せていただいています。
ーー今どんな活動をされていますか? これからどんな活動をしていきたいですか?
今日はお客様にお渡しするためのシフォンケーキをみんなでつくりました。自分でレシピを調べてつくったのですが、初めてのことだったので刺激的でしたね。これからは、一般就労も見据えて、パソコンの入力作業のスピードを上げるなど、できることを少しずつ増やしていきたいです。
通所でも在宅でも、自分に合った働き方が見つけられる
オモロピアBは、アットホームで安心できる環境で就労に向けた訓練を積むことができる事業所です。丁寧な支援員が優しくサポートしてくれるので、就労経験がなかったり未経験だったりしても安心して通所することができます。在宅の方とも距離の近いコミュニケーションで、一人ではなくチームの一員であることを感じながら働くことができます。おしゃべりが好きな方や、逆にコミュニケーションが苦手で向上させたい方にも、選択肢の一つとしておすすめできる事業所です。
※この記事は、2024年9月の取材に基づいています。
執筆 : LITALICO仕事ナビ施設取材
就労移行支援・就労継続支援A型・B型の事業所の生の声をお届け!事業所・利用者の方へのインタビューをもとに、各事業所の特徴や力を入れている取り組みなどをご紹介します。